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 瀬戸内海に浮かぶ美しい島、豊島(てしま)。この島をめぐって国内最大級の産業廃棄物不法投棄事件が生じたことは、環境問題に関心を持つ人々にはよく知られたことです。日本における廃棄物問題、ゴミ問題を考えるうえで、避けて通れない事件だと思います。今回、環境運動、環境問題に関心を持つ大学院生とともに、豊島と、そこから撤去された廃棄物の中間処理施設が立地する直島を訪れて、関係者に聞取り調査を行いました。
 豊島では「廃棄物対策豊島住民会議」のメンバーに処分地を案内していただき、事件の発生から被害の状況、そして7千回にもおよぶ豊島住民の抗議行動の内容まで、詳しいお話しを聞かせていただきました。その後、豊島で撤去された産廃の中間処理施設が立地する直島を訪れ、香川県直島環境センターの施設を見学するとともに、同施設の直島への誘致運動に関わった直島住民に当時のお話しを聞かせていただきました。
 豊島と直島は直線距離ではおよそ5kmほどしか離れていない隣同士の島ですが、産業廃棄物問題をめぐる2つの島の対応はきわめて対照的なものでした。不法投棄産業廃棄物の完全撤去と企業、行政の責任を厳しく追及した豊島と、豊島からの廃棄物の搬入と中間処理施設の建設を受け入れた直島とでは、その歴史、産業、住民の雇用、企業・行政との関係において大きく異なっており、そのことが産業廃棄物問題をめぐる2つの島の対応の違いに結びついたと考えられます。廃棄物問題の背後には、日本社会の地域社会が抱える様々な問題が横たわっていました。そのことを今回の調査ではあらためて考えさせられました。
 調査に同行した大学院生にとっても貴重な勉強の機会になったと思われます。現地調査でお世話になりました関係者の皆様には、この場を借りてあらためてお礼申し上げます。
 
香川県の豊島・直島に産業廃棄物不法投棄問題の調査に行ってきました!
2014年5月29日木曜日〜31日土曜日