2011年3月2日から10日まで、地理学研究室の学生4人と中島でマレーシアはペナン島に調査旅行に行ってきました。ペナン島は豪華なホテルが立ち並ぶビーチリゾートが有名ですが、近年は歴史的町並みを活かした都市観光や農村地帯におけるグリーンツーリズム、さらには熱帯雨林の原生林が残る北西部の国立公園におけるエコツーリズムなど多様な観光が展開されています。そこで今回、それらが地域社会や地域文化にどのような影響を及ぼしているのか、都市観光と農村ホームステイ、エコツーリズムを実際に体験しながら調査してきました。
最初に、ジョージタウンで歴史的景観の保全に取り組みながら地域文化の継承に取り組んでいるNGOのPenang Heritage Trust (PHT) を訪問し、その活動についてお話しをおうかがいするとともに、PHTがガイドするウォーキング・ツアーに参加しました。次に、ペナン島南西部のバリク・プラウを訪れ、農村集落で2泊3日のホームステイを体験しました。開発が進むペナン島の中でこれまで開発から取り残されてきた農村部で、政府のバックアップのもとに進められているホームステイ・プログラムは地域社会にどのような影響を与えているのか、実際にマレー系家庭にホームステイさせていただき、体験的に観察しました。最後に北西部の国立公園でおこなわれているエコツアーのトレッキングに参加しました。市街地の拡大や宅地化が進んだペナン島の中でこれだけまとまった形で原生林が残されていることに驚くとともに、その貴重な自然資源をガイドする地元住民の役割がたいへん大きいことを実感しました。気楽な気持ちで参加したトレッキングでしたが、原生林の山歩きは予想以上にハードでした。